記者との信頼関係がカギ!メディアとリレーションを築くために必要な考え方

超実践広報シリーズ。広報活動では、さまざまなステークホルダーとの関係構築が求められます。そのなかでも特に重要なのが、“メディアとのリレーション”。とはいえ、広報初心者の場合「何から始めればいいの?」「どこを重視すべき?」と戸惑うことも多いのではないでしょうか。今回は、そんな方に向けて“メディアと信頼関係を築くための基本作法”を、実践的な視点からご紹介します!

広報がメディアリレーションズを重視すべき理由

そもそも、なぜメディアとのリレーションが必要なのでしょうか?

どんなに魅力的な企業でも、自社だけで届けられる情報範囲には限りがあります。だからこそ、メディアという“伝えるプロ”の力を借りる必要があるのです。テレビや新聞、ウェブメディアなどで報道されることで、認知の広がりは何倍、何十倍もの効果を生むこともあります。

加えて、広報として意識しておきたいのは「第三者評価による信頼性」です。企業が「自社の商品・サービスは優れている」と発信しても、受け手には響きません。けれど、メディアが客観的な立場で紹介することで、「信頼できる」「社会的に注目されている」といった印象が生まれます。メディアリレーションズは、企業が社会的信用を築くための大切な手段なのです。

広報がメディアと接点を持つ場にはどのようなものがあるのでしょうか?

メディアと関係を築く場は、実はたくさんあります。主なシーンは以下のとおりです。

初心者広報が押さえるべきメディアリレーションズの基本とは

メディアとの関係づくりには、さまざまな手法があり、状況に応じた細かな“作法”も存在します。けれど、広報としての基本的な心構えは、どの場面においても必要です。今回は、広報を始めたばかりの方にもぜひ知っておいてほしい、「メディアリレーションズの基本マインド」をご紹介します。

1. メディアへの情報提供は“カスタマイズ”が基本

まず大切なのは、メディアごとの特性を理解し、それに合わせて情報を届けることです。たとえば、業界専門紙はその分野に特化したニッチな話題を重視しますが、一般紙やテレビでは、より幅広い層に届く情報が求められます。

加えて、全国と地方メディアでは報道内容のニーズも異なります。つまり、企業にとってはひとつの出来事であっても、切り口や伝え方を工夫しなければ、メディアにとって「取り上げる価値のある情報」にはならないのです。

メディアへの情報提供は、“ギフト選び”のようなもの。各記者が何を求めているのかを想像し、その立場に立って届けられる広報担当者は、信頼を得やすくメディア掲載の可能性も高まります。「この広報は自分たちをよく理解している」と思ってもらえる関係性づくりこそ、メディアリレーションズの土台となります。

メディアへのアプローチをする際はファクトブックが役立ちます!こちらの記事もぜひご覧ください。
メディア対応をスムーズに!ファクトブックの作り方・活かし方を徹底解説

2. 報道する価値を“まっすぐ”に伝える

広報がやりがちなミスのひとつに、メディアへの“演出”を過度にアピールしてしまうことがあります。メディア関係者に、「ここ撮れますよ」「画になりますよ!」といった発言をしたことはありませんか?私もついついいってしまいがちです。

しかし、メディアが重視するのは、その情報が視聴者や読者の共感や行動変容を生む内容かどうかという視点。だからこそ広報担当者には、小手先の演出ではなく「自社のサービスや商品が世の中にどんな価値を届けられるのか」を真摯に伝える姿勢が求められます。

たとえばテック系企業であれば「その技術が人々の生活をどう変えるのか」「どんな社会課題の解決につながるのか」など、本質的な価値を言語化する必要があるのです。情報をどう“料理”するかは、メディアの仕事。広報は、そのための“素材”を提供する役割に徹しましょう。

3. 情報提供のスピード感と日頃からの交流が信頼を生む

記者が「気になる」と思ったときに、すぐに必要な情報を提供できるかどうかは、広報としての信頼を左右する大きなポイントです。探している情報を察して、的確な資料やデータをすぐに渡せる広報担当者は、記者から「頼れる存在」として認識されやすくなります。

ただし、報道されるかどうかはタイミング次第ということも少なくありません。だからこそ、日頃からメディアと接点を持ち、「○○の話ならこの人」と印象づけておくことが重要です。必要なときに思い出してもらえる関係性が、いざという場面で効いてきます。

大切なのは、フラットで相手目線のコミュニケーション

メディアリレーションズに必要なマインドは理解できたものの、初心者のうちはどうしてもメディア対応に身構えてしまいます。

気持ちはわかります。でも実は、広報とメディア担当者の関係で一番大切なのは、“相手を思いやるコミュニケーション”だと思っています。

たとえば私自身、記者の方から「こんなテーマで取材対象を探しているのだけど、誰か知りませんか?」と相談されるケースがよくあります。そんなときは、自分に直接のメリットがなくても、他社の広報さんを紹介したり情報を探したりしています。

企業から一方的に「この情報を掲載してください!」とお願いするだけでは、相手も構えてしまいますよね。「立場が上・下」という話ではなく、お互いを理解する“フラットな関係性”を築いていくことがメディアリレーションズにおいては大切だと感じます。

まさに、一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが求められるんですね。私もまずは、「相手目線でのコミュニケーションから意識してみたいと思います!

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