
経営者向け「広報&ブランディングの思考法」シリーズ。自社の発信力を高めようとSNSを始めたものの、「思うような効果が出ない」と悩む経営者は少なくありません。いまや経営者が自身のSNSで発信をすることは企業の信頼や魅力を伝える強力な手段の一つです。では経営者が”ただ発信するだけ”を超えて影響力のあるアカウントを育てていくためには、何が必要なのでしょうか?今回は、SNS運用支援の実績を持つ丸山がXで発信力を高めるためのマインドと、すぐに使えるノウハウをお届けします。
Xの最新アルゴリズムと考える、SNS発信に必要なこととは?

企業の認知拡大のために、自身でもXでの発信を始めました。ただ、反応が少なく、続けるべきか悩んでいます……。



今は、個人の発信が採用や購買のきっかけになる時代です。だからこそ、経営者による情報発信はとても意味があります。ただし、発信力を高めていくには、経営者自身の「SNSマインド」と、ある程度のノウハウが必要だと考えています。



「SNSマインド」とは、具体的にどういったものでしょうか?



ひと言でいえば、「相互コミュニケーションを楽しめるかマインドがあるかどうか」です。SNSでは、どれだけ有益な情報を発信していても、一方通行の発信だけでは影響力は広がりにくいものです。
特にXの最新アルゴリズムでは、「いいね」や「リプライ」など、フォロワーとの双方向のやりとりがアカウント評価に大きく影響するとされています。





アカウントを育てるには、発信だけでなくリアクションも含めた「フォロワーとのコミュニケーション」が欠かせないということなのですね。



その通りです。だからこそ、経営者ご自身が持っている「人とつながることへの関心」や「コミュニケーションを楽しむ姿勢」が、SNSでの発信には不可欠なんですよね。
アカウントを育て発信力を上げるための3ステップ



SNS発信で求められる「SNSマインド」があれば、“テクニック”を身につけることで発信力を上げることも可能です。ここでは、アカウントを育てていくうえで欠かせない3つのプロセス、初期設計・継続発信の仕組みづくり・効果測定について、押さえておくべきポイントをお伝えしますね。
1.初期設計



SNS発信の初期設計で特に重要なのは、経営者として「どんな姿で認知されたいか」を明確にすることです。
たとえば、社会貢献性の高いビジネスを展開している企業であれば「信頼感」、急成長をアピールしたいスタートアップであれば「勢い」といったように、企業が目指すイメージにふさわしい印象を、経営者の発信にもきちんと反映させることがポイントです。
過去のコラム「経営者も必須?SNS時代、企業の認知を高める秘訣」でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。





そのうえで、イメージに沿った発信テーマを決めていく、ということですね?



そうですね。ただし、発信の内容については「実益と情緒のバランス」を意識することが大切です。多くの経営者の発信は、フォロワーにとって有益な情報を届ける(=Give)、もしくは自社のニュースをPRする発信(=Information)に偏りがちです。ですが、それだけでは人の心を掴むのは難しいかもしれません。
私はそこにもう一つ、“Like”=発信者の人柄や価値観が伝わる要素を加えることをおすすめしています。 情報だけでなく、共感や親しみもあわせて届けることで、フォロワーとの関係を深める鍵になります。





自己開示が苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、その人らしさが表れる投稿は、意外にも共感を得やすいものです。パーソナルな内容も、有益な情報と同じくらいの比率で発信することをおすすめします。
2.継続できる仕組みづくり



Xの発信は継続が大切とのことですが、実際のところ、発信の時間に割く時間の確保も課題です。



たしかに、日々の業務の中で発信の時間を捻出するのは簡単ではありません。そこでおすすめなのが、AIを活用した仕組み化です。投稿のアイデア出しや文章の整え方にAIを使うことで、投稿へのハードルがぐっと下がります。
たとえば以下のようなプロンプトを活用し投稿文の原型を整えてもらうことも一つです。
<AIへのプロンプト(例)>
あなたはプロのライターです。以下の条件に沿って、【原文】をX投稿文として整えてください。
- 文章は端的でリズムよく具体的にストーリーテラーで
- 命令形を避けて
- 漢字は20%以下
- 文字数:120〜200文字
- 文体は「ですます調」NG
- 【見出し】不要
- ハッシュタグ、絵文字不要
- 構成:
結論(短く惹きつける一言)
理由(簡潔に)
具体例
改めて結論や提起 - 【原文】:
- 【参考アウトプット】:



たしかに、AIを活用すれば文章も整えられ投稿へのハードルも下がりそうです。



内容そのものは「ご自身だからこそ語れること」を大切にしつつ、表現の部分はAIをうまく活用するといいですね。「参考にしたい投稿」をAIに読み込ませて、自分用のプロンプトを作っておけば、自分らしい発信がより効率的にできるようになります。
3.効果測定



次に取り組むべきは、効果測定です。発信の効果をきちんと検証することは、影響力のあるアカウントを育てるうえでとても重要です。X運用においては、以下の3つの指標を特に重視しています。
- フォロワー数
- インプレッション数(投稿が何人に表示されたか)…新規フォロワーの獲得に繋がる指標
- エンゲージメント数(いいね・リプライ・リポストなどの反応)…フォロワーとの関係を深めるための指標



おすすめのX分析ツールはありますか?



私は、テテマーチ株式会社が提供している「SINIS(サイニス) for X」を利用しています。分析ツールを使えば、1日のフォロワー数の増加や、どの投稿がインプレッションおよびエンゲージメントが高かったのかを分析でき、具体的な運用目標と施策が立てやすくなります。ぜひ導入を検討してみてください。
扱うテーマに留意し、経営者としての発信を効果的に



発信するうえで気をつけることはありますか?



SNSでは、配慮の足りない投稿が炎上につながるリスクもあります。特に、「4S」などのように、ユーザーの見解が分かれやすいセンシティブな話題に言及する際は、注意が必要です。





周囲を意識しつつ、コミュニケーションを楽しみながら継続的に発信できる仕組みを整えれば、経営者のSNS発信は広報活動として大きな力になります。
Xでの発信に迷いがある方は、今回ご紹介したポイントをぜひ実践してみてください!
効率よくできる生成AIを活用したXの運用講座


セミナー情報はこちら