経営者向け『広報&ブランディングの思考法』。今回のテーマは、広報活動における「経営者の発信」の重要性についてです。SNSが普及し、個人の発言が大きな影響力を持つ現代。しかし、「発信が苦手」「何を発信すればよいかわからない」と感じている経営者は少なくありません。そんな経営者の方でも、発信力を高めて企業の認知度を向上させる方法をご紹介します!
経営者ブランディングの必要性はますます高まる?
企業の広報支援を行う中で、経営者の方から「個人による発信は必要か」と質問をいただくことがあります。経営者自身が広報活動の一環として、SNSなどを活用することの重要性を理解しているものの、苦手意識や不安から発信を避けてしまう方も少なくはありません。
私もその1人です!経営者が発信する意義は本当に大きいのでしょうか?
私は、無名のベンチャーやスタートアップの代表こそ、自身の考えやパーソナリティを積極的に発信した方がよいと考えています。近年は、個人の言動によって人々が心を動かされる時代。企業公式の「整った発言」より、SNSや口コミを通じた「リアルな声」の方が共感を生み、認知度向上につながるケースも多々あります。
具体的な事例を教えていただけますか?
たとえば採用面での効果が顕著です。最近の求職者は、企業公式サイトだけでなく、Xやnote、YouTubeなど複数の媒体から情報を収集しています。経営者が積極的に発信することで、「この社長のもとで働きたい」「企業のミッションやビジョンに共感した」といった強い志望動機を持つ求職者とつながることが可能です。
加えて、インナーブランディングの強化や組織の結束力向上といった副次効果も期待できます。
求職者をはじめとするステークホルダーとの接点を増やすことが重要なのですね。発信をすることで得られるメリットはほかにもありますか?
採用以外にも、経営者がSNSを活用することで得られる効果は多岐にわたります。例えばSNSを通じたビジネスパートナーとの関係構築や新規リードの獲得、さらには企業間のコラボレーションや業務提携に発展するケースも少なくありません。
もちろん炎上リスクへの対策なども重要ですが、会社全体にもたらす効果を考えれば、経営者がSNSを活用して発信する意義は非常に大きいと言えます。
迷わず発信し続けるための3つのポイントとは
とはいえ、不特定多数の方に届くSNSにおいて、「何を発信すべきかが分からない」というのが目下の課題です。
その課題を解決するためには、まず発信目的と内容を明確にし、初期設計をしっかり行うことが不可欠です。特に重要なのは、次の3つのポイントです。
参考になる具体例はありますか?
経営者自らの発信が必ずしも「正解」ではない
経営者ブランディングの重要性は理解できました。一方で、1人で発信し続けることのハードルの高さも感じています。
その気持ちはよく分かります。経営者自らの言葉で発信することが理想的ではありますが、無理をして発信しても効果が得られるものではありません。そこで、企業として発信力を高める2つの方法をご紹介します。
1つは、広報担当者の力を借りることです。経営者が時間を確保できない場合や文章作成が苦手な場合、広報担当者が取材や執筆を行い、SNSで情報を発信する方法があります。この方法なら、代表の声を活かしつつ効率よく発信ができます。
2つ目は、社員に「エバンジェリスト(伝道者)」としての役割を担ってもらうことです。具体的には、社員が自身のSNSアカウントを活用して、会社の魅力を発信する仕組みを構築するのです。フォロワー3万人の代表が1人で発信するよりも、フォロワー1000人の社員10人が一斉に発信するほうが、広範囲に影響を及ぼす可能性もあります。
なるほど。確かにそのほうが発言の信頼性が増しますし、社員の愛着心が外部に伝わりやすくなりそうですね。社員を巻き込んで発信の仕組みを整えるのも良いアイデアです。
発信において特に心がけるべきことはありますか?
一番大切なのは「継続すること」です。特にSNSは、1〜2ヶ月の短期間で目に見える効果が出るものではありません。そのため、経営者自身が強い覚悟を持ち、長期的な視点で取り組むことが重要です。
経営者ブランディングの重要性が高まっている一方で、最適な発信方法は企業ごとに異なります。まずは、自社に合った形を見つけて実践し、継続してみてください。数年間の積み重ねの結果、きっと良い成果が得られるはずです!
SNSを効果的に活用し、広報とブランディングを強化しましょう!