あなたの会社の年頭所感、知ってますか?

広報担当者向け”超実践シリーズ”。今回のテーマは「年頭所感」です。各社の年頭所感や、自社の年頭所感を広報担当者がどのように活かすか、実践的な情報をお届けします!

広報担当者が年頭所感を押さえるべき理由

2025年がスタートし、各企業から年頭所感が次々と発信されました。
ところで、自社の年頭所感、しっかり把握していますか?

年頭所感は、企業のトップが年初に発表する「新年の方針や抱負」のことですよね。社内報に代表のメッセージを掲載したことはありますが、実はあまり意識していませんでした。それが広報活動とどのように関係するのかも気になります。

年頭所感は、企業のトップが前年を振り返り、新年の目標やビジョンを社内外に発信する重要なメッセージです。対外的に発表することで、会社が世の中でどういう立ち位置で価値を提供し、具体的にどのようなこといその年注力していくかを顧客や株主、求職者といったあらゆるステークホルダー対して指針を提示する効果が期待できます。特に新年は、メディアの注目度が上がる時期。このタイミングで会社のメッセージを社内外に効果的に届けるのは、広報担当者の大事な役割です。

年頭所感の重要性がよくわかりました!とはいえ、それをどう活用すれば良いか、具体的なアイデアが思い浮かびません。

プレスリリースの配信は定番ですが、他にも工夫次第でさまざまな広報活動に活かすことができます。たとえば、代表のメッセージ動画を作成して採用活動に使用したり、インタビュー記事をnoteに掲載して社員や外部に発信するのも良いでしょう。1つのメッセージでも魅せ方や発信方法を変えることで、さまざまステークホルダーに届けることができるんですよ。

企業の年頭所感から読み解く2025年のキーワードは?

年頭所感の重要性が理解できたところで、2025年に各社が発表した年頭所感を見ていきましょう。

2024年の年頭所感では、多くの企業が不確実な経済環境を認識しつつも、生成AIなどの技術革新による新たな成長機会の創出に意欲を示していました。2025年になると、AI活用はもはや前提となり、その活用範囲の拡大や効率化だけでなく、顧客への提供価値向上に重点が置かれるようになっています。

日本経済新聞やIT media Mobileなどでは毎年この時期に年頭所感に関する記事が掲載されます。これらの記事を継続的に見ていくことで、社会事象と企業活動の関連性を深く理解することができ、大変興味深いでしょう。

【IT media Mobile】

2024年
ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が2024年年頭所感を発表 ネットワーク品質やAI活用が注目される年に(要約) – ITmedia Mobile

2025年
ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が2025年年頭所感を発表 「ネットワーク品質」「AI」に注力へ

【日本経済新聞】

2024年
「生成AI対応」「国内回帰を加速」 企業トップ年頭所感 – 日本経済新聞

2025年
トランプ次期政権や自然災害に備え 企業トップ年頭所感

年頭所感の重要性がよくわかりました!とはいえ、それをどう活用すれば良いか、具体的なアイデアが思い浮かびません。

年頭所感をつくる上で押さえるべきポイントを紹介

先ほど、年頭所感を活用した広報活動について触れましたが、そもそも年頭所感を作成していない会社もありますよね。広報担当者が主導となって年頭所感をつくる際に、押さえておくべきことはありますか?

3つお伝えしますね。まず、社会の動向と自社の戦略を関連付けることが重要です。昨今、ステークホルダーは企業のミッションやビジョンに加えて「パーパス」、つまり社会における存在意義にも注目しています。
単に企業の定量的な目標を発信するだけでなく、企業の社会的責任(サステナビリティなど)についても言及することで、より多様な読者の共感を得られる年頭所感になると思います。

世の中のトレンドと自社動向の接点を見出して、言語化するということですね。

その通りです。2つめに、わかりやすく「キャッチーな表現」を心がけることが重要です。年末年始は情報があふれる時期だからこそ、シンプルで記憶に残るフレーズを意識しましょう。たとえば、「今年は〇〇の年です」といった短く明確なメッセージを用いることで、印象を強く残せます。

なるほど。「年頭所感をどう調理し、広く届けるか」も広報の腕の見せ所ですね。

そうですね。そして、最後は、 年頭所感を他の広報活動にも活かすことです。年頭所感の作成に携わることは、広報担当者自身にもメリットがあります。たとえば、広報担当者は代表へのインタビューを通じて、会社が今後目指す方向性をいち早く知ることができます。

トップの考えを先んじて知ることで、広報活動をする上での指針や1年間の目標も自然と立てやすくなるはずです。年頭所感の作成は、会社の経営方針と自身の広報活動計画をリンクさせる上で、非常に良い機会になると思います。上場会社でないから年頭所感は不要と考える企業も多いのですが、どの企業にとっても指針を社内外に提示することは重要な広報活動の一つになると思います。

年頭所感は、企業と自身が1年のスタートダッシュを切るための重要なツールなのですね。今年はしっかり準備して、発信に取り組みたいと思います!

年始は、広報戦略を作成する良いチャンスです。もし自社に明確な戦略がまだないという方は、ぜひこの機会に戦略づくりに挑戦してみてください!

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